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TAKASUGI タカスギ株式会社

建物のこと

2024.04.30

金物工法とは?在来工法との違いや耐震性、経済的メリットについて解説します!

 

金物工法とは?在来工法との違いや耐震性、経済的メリットについて

 

金物工法は、その高い耐震性により近年、世界各国で広く採用されています。特に木造建築分野において注目されるこの技術は、金属製の部材を使用して木材を接合し、構造の強度、耐久性、そして耐震性を大幅に向上させます。この技術がなぜ効果的で、どのようにして建築の安全性と効率を同時に高めることができるのか、その詳細を解説します。

 

金物工法とは?

 

金物工法は、伝統的な木造建築で見られる仕口や継手を、金属製の部品に置き換えることによって実現される現代の建築技術です。この工法では、金属の部材を用いて木材を接合することで、建物の各接合点が強化され、結果として全体の耐震性や安全性が向上します。特に、在来工法でよく使われる羽子板ボルトなどが不要になるため、施工の手間や時間が大幅に削減されるのです。

 




金物工法では、プレカットされた部品が使用されるため、現場での作業量が減少します。さらに、職人の技術に左右されることなく、均一で高品質な建築が実現可能になります。

 

金物工法を採用することで木材の断面欠損が減り、構造全体の強度と安定性がさらに向上します。


 


金物工法は、より強く、より安全な建物を、時間とコストを節約しながら建てるための効果的な手段として、現代建築において非常に注目されています。この工法は、耐震性の向上と施工効率の良さを求めるすべてのプロジェクトにおいて、重要な選択肢となっています。



金物工法の5つのメリット

 

日本だけでなく、世界からの注目を集めている金物工法には5つのメリットがあります。

接合部の強度


金物工法の接合部は金属製の部品で強化されているため、仕口の強度が明確で、構造計算にものせやすいです。これにより、建築物の耐久性と安全性が向上します。

断面欠損の削減


在来軸組工法に比べて、柱や梁の断面欠損が少なく、木材本来の強度を最大限に活かすことができます。

高精度と高品質


基礎とアンカーボルトが金物でしっかり固定されるため、構造体の精度が向上し、施工品質が保証されます。

スピーディな施工

 

金物工法では、多くの部品がプレカット会社で予め取り付けられ、現場では簡単な組立作業のみが必要です。これにより、工期が大幅に短縮されます。

美しい仕上がり


金物工法では、接合部が外部から見えにくいため、見た目が美しく、化粧梁などのデザインにも適しています。

 

金物工法 vs. 在来工法

 

金物工法と在来工法の違いについて説明します。在来工法は、伝統的に木材をジョイントや釘で結びつけて建物の骨格を構築しますが、金物工法では金属製の接合部材を使用して木材を連結します。この違いが、いくつかの技術的な利点をもたらします。

 

まず、耐震性についてですが、金物工法では金属製の接合部が木材同士の動きを効果的に制限し、構造体全体の剛性を向上させます。これにより、地震や強風などの外力に対して高い耐性を持つことができます。一方、在来工法では時間が経つにつれて接合部の弱化が進み、耐震性が低下するリスクがあります。

 

次に、施工速度です。金物工法では工場で予め加工された部材を使用するため、現場での施工時間が大幅に短縮されます。対照的に、在来工法では現場作業が多く、天候や技術者の技量に依存するため、工程が遅れる可能性が高くなります。

 

コストに関しては、金物工法の初期コストは金属部材の使用により在来工法よりも高くなることがありますが、施工時間の短縮や長期的なメンテナンスコストの削減を考慮すると、長期で見るとコスト効率は非常に良いと言えます。

 

最後に、持続可能性については、金物工法が部材の標準化と再利用可能性により環境への影響を減らす一方で、在来工法では使用される木材の量が多く、資源消費が大きいという問題があります。

 

これらの点を踏まえると、金物工法は多くの面で在来工法を上回る選択肢と言えるでしょう。

 

 

金物工法

在来工法

耐震性

  • 金属製の接合部を使用し、木材同士の動きを効果的に制限。
  • 構造体全体の剛性が向上し、地震や強風などの外力に対する高い耐性を提供。
  • 接合部の弱化が時間と共に進行しやすい。
  • 時間が経つにつれて、耐震性が低下するリスクが存在。

施工速度

  • 工場で予め加工された部材を使用。
  • 現場での施工時間が大幅に短縮される。
  • 現場作業が多いため、施工プロセスが長引くことがある。
  • 天候や技術者の技量に左右されやすく、施工の遅れが生じやすい。

初期コスト

  • 金属部材の使用により、在来工法に比べて初期投資が高くなることがある。
  • 金物工法に比べて初期コストは低い

トータルコスト

  • 施工時間の短縮により、全体の建設期間が減少。
  • 長期的なメンテナンスコストの削減により、経済的に有利になる場合が多い。
  • 長期にわたるメンテナンスや修繕が必要になることが多く、全体のコストが上がる可能性がある。

持続可能性

  • 部材が標準化されているため、無駄が少なく効率的な使用が可能です。
  • 使用される金属部材は再利用が可能であり、廃棄物の削減に寄与します。
  • 総体的に環境への負荷が少ないと評価されています。
  • 構造を支えるために大量の木材が必要で、資源の消費が大きい。
  • 建築に使用される木材が多いため、資源の大量消費が続くと環境への影響が増加します。

 

金物工法の耐震性能

 

金物工法の耐震性能について詳しく説明します。この工法は、構造体の各部を金属製の接合金物で強固に連結することで、耐震性を大幅に向上させます。金属の剛性と木材の柔軟性を組み合わせることにより、地震の際に生じる力を効果的に分散し、建物全体が一体として動くことを可能にします。また、金物は接合部の微細な動きを最小限に抑えることで、大きな揺れに対しても構造の安定を保持します。

 

金物工法はその高い耐震性能が認められ、多くの国の建築基準や法規制にも準拠しています。特に日本では、新しい建築基準法の施行により、耐震性の強化が求められる地域での建築において、この工法が推奨されています。

 

金物工法は、安全性の高い住宅供給を目指す政府の方針と一致し、耐震補強が必要な既存の建物のリフォームや改修にも積極的に採用されているのです。これにより、金物工法は耐震技術としての価値をさらに高め、多くの建築での採用が進んでいます。

 

金物工法の経済的メリット

 

金物工法の経済的メリットは、事前に加工された部材と標準化された金物を使用するため、現場での組立作業が迅速に進行します。作業効率が良いことがコスト削減に大きく関係しています。

 

さらに、金物工法で建てられた住宅は堅牢な構造を持ち、その結果として長期にわたるメンテナンスコストが削減されます。これは、金物がサビに強い材質で作られているため、時間が経過しても建物の構造的安全性が保持されるからです。

 

金物工法は初期コスト以上の価値を提供し、経済的な負担を長期的に見ると軽減させる効果が期待できるため、多くの住宅で選ばれる理由となっています。

 

 

 

断熱効果の経済的メリット

 

金物工法の断熱効果とその経済的メリットについて詳しく見ていきましょう。この工法は、金物が木材内部に完全に収まる設計になっているため、ヒートブリッジ(熱橋)を防ぎ、断熱性能を大幅に向上させます。

 

ヒートブリッジ(熱橋)とは、建物の断熱層を通して熱が簡単に移動できる部分のことを言います。このような部分があると、夏は室内が暑くなりやすく、冬は寒くなりやすいため、家の中が快適でなくなりがちです。

 

金物工法を採用することにより、建物全体のエネルギー効率が改善されます。冷暖房の効率を高め、エネルギー消費を減らすことになります。また、結露による木材の腐食も防ぐため、建物の寿命を延ばすことができます。このように、長期的に見ると大きなコスト削減につながります。

 

金物工法による断熱効果は、住む人々の快適性を向上させるだけでなく、持続可能な住宅を実現するためには重要な要素だと思っています。エネルギー効率のよい住まいを提供することは、建築業界において金物工法が今後も重要な役割を果たし続けると考えられます。

 

まとめ

 

金物工法は、その高い耐震性、経済的効率、および施工の速さから、現代建築においてますます重要な役割を果たしています。この技術が建築業界にもたらすメリットは大きく、特に地震大国の日本でその価値が認められています。

 

今回の記事で紹介した金物工法、在来工法との比較、そしてその多くのメリットを知ることで、より安全で効率的、かつ経済的な住宅建築が可能となります。住宅会社を選ぶポイントとしても、どういった工法を用いているのかも選ぶ基準の1つとなるでしょう。

 

 

 

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