2024.03.04
地震の強さは震度、マグニチュードだけではない!能登半島地震で注目されるカインとガルとは?
2024年1月1日、能登半島で大地震が発生し、我々の地震対策への理解が再び試されました。一般に用いられる震度とマグニチュードでは計測しきれない地震の側面を明らかにするため、速度を示す「カイン」と加速度を示す「ガル」の概念が重要視されています。この二つの指標を用いることで、地震の影響をより正確に分析し、効果的な対策を講じることが可能になります。スーパージオ工法は、これらの最新の知見を活用し、地震から私たちの住まいを守るための技術です。
震度とは?マグニチュードとは?
地震は、地球のプレートがぶつかる、滑り合う、または離れることにより、地球内部で蓄積されたエネルギーが突然解放される現象です。このエネルギーが地表に伝わり、揺れとして私たちが感じるのが地震です。
地震の強さを表す指標には「震度」と「マグニチュード」があります。
「震度」について
震度は地震の揺れを人間や建物がどの程度感じたかを表す尺度で、日本では気象庁震度階級を用いて0から7までの数値で示されます。
「マグニチュード」について
一方、マグニチュードは地震そのものが持つエネルギーの大きさを示す指標で、地球上のどこから観測しても同じ値を示します。マグニチュードは、地震が解放するエネルギーの総量を対数スケールで表したものであり、値が1つ増えるごとに約31.6倍のエネルギーが解放されたことを意味します。
また、マグニチュードは地震発生後の津波の可能性や、余震の予測など、災害対策を立てる際にも不可欠なデータを提供します。
これらの指標により、地震の影響を科学的に評価することが可能になります。
カインとガルとは?
地震の研究において、マグニチュードや震度と並び、地震の動きを理解するための重要な指標に「カイン」と「ガル」があります。一般的にはあまり馴染みのない、「カイン」と「ガル」ですが、実は地震の揺れの大きさを表す単位です。
地震の「カイン」とは?
カインは地震の強さを揺れの速度で表す単位です。
具体的には、1秒間にどれだけの距離(cm)を移動したかを表します。
1カインとは、1秒間に1cm動いたことを意味することになります。
地震の「ガル」とは?
ガルは、地震の揺れの加速度を表す単位です。
1秒間に生じる速度の変化を示します。
1秒間に1cmの割合で速さが増える加速状態を1ガルとします。
これらの単位を用いることで、地震の揺れの特性をより詳細に分析することが可能になり、地震の影響をより正確に予測することができます。
例えば、大規模な地震が発生した際に、カインとガルを分析することで、どの地域が最も大きな揺れに見舞われるか、どのような種類の建築物が最も危険にさらされるかを事前に知ることができます。
当社はカインに着目!
地震の揺れの速度を表す「カイン」は、地震の影響を評価する上で非常に重要な指標です。以下は、過去の大 地震のカインの値を示したものです。
1995年 阪神淡路大震災 マグニチュード7.3 169カイン
2007年 新潟中越沖地震 マグニチュード6.3 136カイン
2011年 東日本大震災 マグニチュード9.0 106カイン
2016年 熊本地震 マグニチュード7.3 94カイン
2024年 能登半島地震 マグニチュード7.6 未発表
1995年の阪神淡路大震災では、マグニチュード7.3にも関わらず、169カインという高い値を記録しました。これは地震の揺れが非常に速く、強烈な影響をもたらしたことを示しています。
当社では、このカインの値を重視しており、
地震の揺れの備えとして、免震を標準搭載しています。
地震の速度(カイン)を考慮し、免震技術を標準搭載することで、より安全な建築物を実現し、地震による被害を最小限に抑えることが可能になります。
日本でカインとガルが浸透していない原因
日本は地震が頻繁に発生する国です。地震の強さを測るために震度とマグニチュードが広く用いられています。
震度は、地震の揺れを人間がどの程度感じたか、または建物にどれほどの影響があったかを表す指標であり、マグニチュードは地震そのものが持つエネルギーの大きさを示します。
これらの指標は、地震の影響を直感的に理解しやすく、長年にわたって報道で用いられてきたため、一般に広く認知されています。
一方で、カインとガルが日本で普及していない理由が2つ考えられます。
第1に、震度とマグニチュードに比べてカインとガルは専門的な知識が必要であり、一般の人々には直感的に理解しにくいことが挙げられます。
第2の理由は、震度とマグニチュードが既に地震リスクの評価や建築基準などで広く利用され、社会システムに深く根ざしているためです。
カインとガルは、地震学の専門家や建築技術者にとって非常に価値があるものなので、将来的には、カインとガルを広く普及することで、住宅の安全への理解の向上が期待されます。
建築基準法では50カインまでしか想定されてない!
日本の建築基準法では、最大で50カインの地震の揺れまでを想定しています。近年の地震を見ると、この想定を超える地震が頻発しています。
特に、2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震、そして2024年の能登半島地震と、大規模な地震が相次いでいる現状を踏まえると、建築基準の見直しや、より高い安全性を確保するための地震対策(免震)が必要ではないでしょうか。
今後は、建築基準法を超える地震対策を行うことが、私たち建築会社に求められていると思っています。
これからの住宅はカインとガルに注目!
これまで主流であった震度とマグニチュードに加え、地震の速度と加速度を示すカインとガルに、これから注目が集まると当社では考えています。
カインとガルを活用することで、建物が地震の揺れにどれだけ耐えられるかを予測し、安全性を高めるための設計が可能になります。
日本でこれらの指標は、まだまだ一般的ではありませんが、近年の大規模な地震を経験し、その被害の大きさを目の当たりにしたことで、カインとガルの重要性はますます高まるでしょう。
今後、カインとガルを含む多面的な地震測定への理解が広まり、これらを積極的に活用していくことが、より安全な住宅構築への鍵と思っています。
地震の揺れから建物を守る免震
地震の揺れから建物を守る免震技術は、地震の際に建物が受けるダメージを最小限に抑えるための重要な手段です。
免震システムは、地震のエネルギーを吸収または分散させることで、カインの値が高い地震であっても、建物の構造体に直接的な負荷がかかるのを防ぎます。
この免震技術により、地震による建物の損傷を大幅に減らすことが可能となり、より安全な住環境を提供することができるのです。
特に、日本のような地震が頻発する地域では、免震技術の導入は建物を守るために不可欠と言えるでしょう。
耐震では地震の強い揺れには耐えれない
耐震設計は、建物が地震による揺れに耐えられるようにするための重要な技術ですが、強い地震の揺れに対しては限界があります。
その主な弱点は、免震システムを採用していないことにより、強い揺れが発生した際に直接地盤からの影響を受けやすいという点です。
耐震設計の建物は、一定レベルの地震エネルギーには耐えることができますが、予想を超える強度の揺れに見舞われると、地盤の動きが建物に直接伝わり、損傷や倒壊のリスクが高まります。
この問題を解決するためには、免震技術の導入が効果的です。免震システムは、建物と地盤の間に介在することで、地震の揺れが直接建物に伝わる事を防ぎます。免震技術により、建物は地震のエネルギーから保護され、より強い地震に対しても安全性を確保することが可能になるのです。
さいごに
日本で「カイン」と「ガル」が一般的でない理由には複数の要因がありますが、これらの単位が地震対策において、今後重要な役割を果たすことは疑いようのない事実です。特に2024年1月1日に発生した能登半島地震のような大規模な地震が、我々に対して改めて、免震の必要性を強く示唆しています。
当社では、免震・液状化対策のスーパージオ工法(SG工法)を標準搭載にすることで、
地震の脅威から熊本県民の皆様の生活を守りたいと思っています。
\もっと詳しく知りたい方は/
分譲地・建売住宅・注文住宅に関するお問い合わせ・お見積り等、お気軽にご相談ください。
お電話でのお問い合わせは、お近くの各事業所までご連絡ください。(お電話受付時間/9:00~18:00 ※火・水曜日定休)